僕らの食料をどこから入手するべきか!?

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Nice!

 突然ですが、今後、食料を自給するべきか輸入するべきか、我々消費者一人一人が、考えなければならない時期にきていると思っています。麺男の私が言うのもなんですが、確かにパスタもうどんもパンも超好きだし美味しいけれど、もう少し米を食べないといけないかなと思ったりしています。一昨日の夜に米の価格下落と米の消費の減少により、日本の米農家が存続の危機に瀕しているという番組を見て、今まで感じたことや考えたことを続きに少し書きました。日本の食料自給率などのこと、日本の米不足のせいで多くの餓死者がアジアで出た時の話などに触れています。長文です。時間がある時に読んで頂けたら幸いです。

 マスコミでも報じられている通り、日本の食料自給率はカロリーベースで概算ながら平成18年度ついに40%を切って39%になってしまいました(農林水産省HPより)。

表1)食料自給率  単位:%(前掲農林水産省HPより)

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 一方、昭和40年には 111.7kgあった1人当たりの米と小麦の消費量は下記の通りに推移しています。

表2)消費量の推移(国民1人当たり) 単位:kg(前掲農林水産庁HPより)

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 米の消費量は大幅に減って来ております。一方小麦の量があまり変わっていません。それは、昭和25年から学校給食にパンが採用されていることが理由の一つかもしれません。つまり、既に昭和40年には小麦を消費する構造になっていたと言えるのかもしれないのです。その後、昭和51年(1976年)の米飯給食の導入開始までの26年間は、学校給食ではパンを主食としていたそうです。
 小麦粉の自給率が戦前の昭和10年の時点で96%あったものが、昭和40年には41%(昭和国勢総覧、食料自給表 平成15年度より)と急激に落ち込んでいることから推測すると、消費構造の大幅な変化と小麦粉の大量輸入が始まったということが言えると思います。
 学校給食のパンの導入はアメリカによる日本への小麦粉輸出という意図がはっきり見てとれるという指摘に真実味を感じます。

 これらの統計から言えるのは、昭和40年頃は小麦消費量の約3倍の米を消費していた。つまり、4回の食事に1回は小麦粉料理を食べていたと単純に推測できます。現在では小麦粉の2倍の米を消費していますから、3回に1回は小麦粉料理を食べていることになります。つまり、既に日本人は、3食全部を米を食べている訳ではなく、1日1回はパン、パスタ、うどん、そうめんを食べているということになります。

 さて、日本の食料自給率は、カロリーベースで39%、生産額ベースで68%あります。生産額ベースで68%あるからもう少し頑張れば大丈夫なように思えます。それぞれの自給率を見てみると次ぎのようになっています。

 米 :95%、小麦:14%、豆類: 6%、野菜類:82%
 (昭和国勢総覧、食料自給表 平成15年度より)

 小麦や豆類は自給率が低く輸入に頼っているけど、米の自給率は95%だから大丈夫そうじゃん!と思います。ところが、ここに問題があります。平成5年の冷夏による米不足が発生した際に、日本は緊急でタイ米を輸入しました。タイ米は美味しくないとか言われていたように記憶していますがあの時です。(実はタイ米の正しい炊き方をしていなかったことによるようですが・・・)このように、少し冷夏になったり作付けが悪い年が続くと直ぐさま毎日欠かせない食料を輸入に頼ることになります。

 更にこの時、実はその煽りを受けてバングラディシュや東アフリカの国々が受けたのだそうです。これらの国々は、もともとタイから米を輸入していたそうです。しかし、日本がタイから米を緊急輸入し、日本が高い値で米を買っていくため。経済力に劣るこれらの国々は例年通り米を確保することができなかったのです。このため、結果として多くの餓死者を出してしまったそうです。このように、食料自給率が低い我が国の行動により、2次的被害が起こってしまうことがある訳です。(この話はある大学教授の講演で聞きました)

 さて、結局何が言いたいかというとミサイル防衛なども大事だとは思うのですが、食料自給率をきちんと確保しておかないと、大変なことになってしまうということです。昨年に引き続き、今年もオーストラリアでは小麦が不作のようです。ご存知のように、これにより小麦の価格は上昇しています。インスタントラーメンもパスタも値上がりの予定だそうです。うどん屋さんも結構大変なようです。
 米が不作になり、同時に温暖化などの影響で万が一、日本人の3食のうち1食を締める小麦までもが世界的に不作で足りなくなると、輸入に頼っていたのでは私達は食料の確保ができなくなる可能性があります。下記のグラフの通り先進国の自給率は日本よりはるかに高いです。

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農林水産省HPより
https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/011.htm

 最早米の生産量・消費量の減少は止められなく、米農家は衰退の一途である。だから米は主食ではなく、野菜の一種としてとらえるべきだ。こんな風に一昨日のテレビ番組の中である学者は言っていました。反対にある経済評論家は、もっと農業の多面的な機能を見て、支えていくべきだと言っていました。米も美味しく安く食べたい、小麦粉料理も大好き。だからパスタもパンもうどんもピザもお好み焼きタコ焼きも食べたいです。ただ、そんな美味しいものを何でも食べられる現在の食生活のためにも、農業についてどういう方向性で行くべきか、消費者である我々も考えなくてはならないのではないかと思ったのです。
 私は、農業は国民の食料確保のためにも、また多面的な機能(環境、文化)においても重要な役割を担っているので、税配分を上手く調整して農業をもっと振興して行くべきだと考えています。みなさんはどうでしょうか!?

 長い長い悪文駄文戯れ言にお付き合い下さってありがとうございました。