天皇陛下がインドへご訪問中です。フジテレビの朝の番組「とくダネ!」さんからのご依頼で、晩餐会のメニューについて解説させていただきました。この機会に皆様にもご紹介したいと思います。
■NON VEGETARIAN
GREEN PEAS SOUP
DUET OF SOYA JHINGA
GOSHT SHIKAMPUR
MALABAR FISH CURRY
MURG KOFTA ALOO BUKHARA
HAAK KA SAAG
BROCCOLI MUSHROOM JALFREZI
ALOO DUM KASMIRI
MOONG DAL TADKA
GUCCHI PULAO
KALONJI NAAN
PUDINA PARATA
SALAD
DAHI GUJIA
PAPAD
GURAB KI KHEER
GAJAL HALWA
FRESH FRUTS
COFFEE / TEA / KAHWA
■VEGETARIAN
GREEN PEAS SOUP
DUET OF ALOO TOKRI
PALAK ANJEER KABAB
KHUMANI PANEER PASANNDA
NADRU VAKHNI
HAAK KA SAAG
BROCCOLI MUSHROOM JALFREZI
ALOO DUM KASMIRI
MOONG DAL TADKA
GUCCHI PULAO
KALONJI NAAN
PUDINA PARATA
SALAD
DAHI GUJIA
PAPAD
GURAB KI KHEER
GAJAL HALWA
FRESH FRUTS
COFFEE / TEA / KAHWA
当然のことながら、大変豪華なメニューとなっています。これだけの品数を出すということになると、おそらく、それぞれの料理の量はそんなに多くないと思います。また、盛り付けや、料理の装飾などの見た目も大変重視されていることと思います。
全体的に辛さを抑えたメニュー構成です。おそらく辛いものが苦手な外国人でも食べられるという点を重視したと思います。あるいは、ゲストが辛い物が苦手であるという事前情報があったのかもしれません。事前の情報がなかった場合でも、インド人は「外国人は辛いものが苦手」という先入観があるので、そのせいかもしれません。
こういったパーティーの場合は、チーフシェフが一人一品の料理を担当していたと思います。料理の数だけチーフを配置します。そしてそのチーフに複数のアシスタントがつく形になります。晩餐会でお食事をされた方の人数を知らないので正確なことは申し上げられませんが、おそらく150名〜200名の料理人で作ったと思います。
以下、メニューから読み取れました範囲で料理の説明をいたします。
■GREEN PEAS SOUP
グリーンピーススープ。今回はしょうがを加えてエキゾチックな味に仕上げたようです。
個人的には、天皇陛下にお出しするのであれば、なにも異国風にしなくても、むしろガチでインド味でいいような気がします。日本人の味覚に合わせたアレンジという意味なのかもしれません。
■DUET OF SOYA JHINGA
ソヤジンガ。醤油とフレッシュメティが味のポイントのエビのソテー。
ジンガはエビのことです。醤油を使って日本風にしてみました。あるいは、日本に敬意を表して、日本の調味料も使ってみましたというメニューだと思います。
■GOSHT SHIKAMPUR
ゴシシカンプール。ラムのひき肉にカッテージチーズとしょうがを混ぜて作ったハンバーグをくるみを散らしたチャツネのソース上に盛り付けました。
ゴシはラム肉のこと。おそらく見た目はフレンチっぽい仕上がりになった料理だと思います。あまり一般的なインド料理ではなく「気合いを入れて作りました」感が感じられます。
■MALABAR FISH CURRY
マラバール風フィッシュカレー。
ココナッツ風味のフィッシュカレー。マラバールはインドの地名です。そこにちなんだ料理ということですね。魚の種類は不明ですが、まながつおの可能性が高いと思います。
■MURG KOFTA ALOO BUKHARA
ムルグコフタアルブカラ。ヨーグルトのグレービーにパクチーをきかせた、鶏肉の肉団子とじゃがいものドライプラム入りカレー。
凝ってますね。アルブカラ(じゃがいものカレー)に肉団子とドライフルーツを追加したというイメージだと思います。
■HAAK KA SAAG
ハークカサグ。ハークという種類のサグのカレー。
サグにもいろいろな種類があるのですが、HAAKサグは、収穫できる場所が限定されていて、インド国内でもあまり流通していない、大変高価なサグです。
■BROCCOLI MUSHROOM JALFREZI
ブロッコリマッシュルームジャルフレッジ。ブロッコリーときのこのドライカレー。
インドではカリフラワーは昔からありますが、ブロッコリーが普通に使われるようになったのは、比較的最近のことです。個人的には「インド料理といえばブロッコリーよりはカリフラワーだろ?」と思いますが、おそらくブロッコリーのキレイな色がほしかったのと、ハイカラな食材使っちゃいましたという感じなのだと思います。
■ALOO DUM KASMIRI
アルダムカシミリ。カシミール風の味付けをしたじゃがいものカレー。(グレービーあり)
ここにきて、いきなりシンプルな伝統的じゃがいものカレーですが、おそらく「カシミール風のスパイス使いを堪能するべし」という意味をこめてこの選択かと思います。カシミールはカシミアで有名な北インドの国境近くの一帯をさします。
■MOONG DAL TADKA
ムングダールタルカ。緑豆を使ったカレー。タルカはスパイスのこと。
私の大好きなカレーです。クミンシードがメインのインドの伝統的なカレーのひとつです。誰がこれをメニューに入れたのか知りませんが「THEインド」な味わいなので、個人的にはアッパレな選択だと思います。インド人が普段食べている庶民の味。
■GUCCHI PULAO
グチプラオ。超高級食材であるきのこ「グチ」を使ったピラフ。
グチは大変高価なきのこで、私がタージにいた時代にも、オーダーで1年に数回しか作らない超高級料理でした。まさにVIPのおもてなしにふさわしい、最上級のインド料理です。日本で言ったら超高級なまつたけを使ったたきこみご飯のようなもの。
■KALONJI NAAN
カロンジナン。カロンジをトッピングしたナン。
■PUDINA PARATA
プディナパラタ。全粒粉で作ったインドのパン。刻んだミントをトッピングしたパラタ。
写真はプレーンパラタ。ミントをトッピングして焼いたものがプディナパラタ。
■DAHI GUJIA
ダヒグジア。豆の粉から作ったスパイス入り揚げ団子にヨーグルトソース。
私たちはダヒバラと呼んでいます。ダヒはヨーグルトのこと。これはインド人がおやつ感覚で普段食べていますので、かなり庶民的な感じのメニューです。
■PAPAD
パパド。インドのおせんべい。
パパド。豆の粉でできたスパイシーなおせんべいです。
■GURAB KI KHEER
グラブキキール。ローズ(グラブ)風味のライスプディング。
お米を甘く炊いたデザートです。インドではお祝いの時に食べます。暖かくても冷たくてもいけます。インドの伝統料理です。通常はローズ風味はつけないので、そこで高級感を出しているんだと思います。
■GAJAL HALWA
ガジャルハルワ。人参(ガジャル)を牛乳で炊いたデザート。
これもインド伝統のデザートです。
■DUET OF ALOO TOKRI
アルトクリ。サラダ。具は、じゃがいも、豆、ミニトマト、ざくろの種、さつまいも。
アルはじゃがいも、トクリはバスケット。おそらくじゃがいもをフライしてバスケットの形にして、その中に具を入れたものだと思います。
■PALAK ANJEER KABAB
パラクアンジールカバブ。ほうれん草(パラク)といちじくの種(アンジール)を丸めてソテーしたもの。
ほうれん草とアンジールだけだと形にならないので、おそらくつなぎに少量のじゃがいもを使っていると思います。形はタコ焼きをつぶしたような大きさと形が一般的。こちらは特別料理なので洒落た形にしているかもしれません。
■KHUMANI PANEER PASANDA
クマニパニールパサンダ。干し杏(クマニ)と、カッテージチーズ(パニール)のカレー。グレービーのベースがカシューナッツ。
グレービーがリッチなカレー。VIPの料理ではよくつかわれるグレービー。
■NADRU VAKHNI
ナダルバクニ。人の名前。蓮根入りのヨーグルトベースのカレー。
なぜこの名前なのかわからない。聞いたことがないメニューです。オリジナルのメニューだと思います。
■COFFEE / TEA / KAHWA
コーヒーは普通のコーヒーだと思います。TEAはチャイのこと。KAHWAはブラックティーです。牛乳の入っていない紅茶です。通常は黒砂糖を入れて飲みます。