私が、一番最初に就職したのは、インドのタタ財閥が経営するホテルチェーンのタージグループでした。ホテルだけをとってみても、かなり大きなグループです。最初に見習いとして配属されたタージホテルにも、かなりの人数の料理人が働いていました。その厨房で働いているインド人は、私のように地元のニューデリーに住んでいる者もいましたが、地方の出身者も多く在籍していました。そこで問題になるのがコミュニケーションです。なにしろ、インドは言語が多いので「自分の言葉」では通じないんですよ。結局、最大公約数ということで、第二国語である「英語」でコミュニケーションをとることになります。地元のホテルに就職したのに、職場での会話が英語ですよぉ。英語は、学校で普通に勉強しているので、まぁなんとかなるにはなるんですが、やっぱり自分の言葉の方が楽だし、誤解も少ないですよね。でも、ニューデリーの厨房はまだましでした。周囲で働いている料理人以外の人は、ニューデリーの人が多いですから地方出身者以外のスタッフとは、ヒンディー語で普通に会話ができました。